こんにちは、こーでです。
はちゃめちゃに忙しいのは星の配置のせい。
星の配置のせいということは永遠ではない、
しばらくすれば和らぐはず…と唱えながら生きています。
本が3冊、漫画1冊。
この写真を見て
はちゃめちゃに忙しい割には
結構、本を読んだ気がする…と自分をほめたくなりました。
8~9月に読んだ本のレビューはこちら↓
本はお菓子である~8.9月に読んだ本~ | Office Arde Code 日記
1.魔法使いの嫁16巻 ヤマザキコレ マッグガーデン
アニメ化もした、魔法使いの嫁の16巻です。
こちらは、9月に買ったのに、前回載せるのを忘れていたもの。
日本の少女、羽鳥ちせが、事情があって売られていった先、
英国の魔法使いエリアスと暮らしながら
自分を見つめなおし成長していく物語です。
現在は、学院篇。
魔法の学校に入ったちせが、同世代の仲間と交流したり、
エリアスも魔術師と親しくなったり。
2人だけの世界の先を描いているのかなぁと思います。
2人の関係性萌え(お互いが師匠であり弟子であり、愛もある関係)な私としては
少し残念なのですが
現実ってそういうものだからなぁと思ったりもするのです。
設定はファンタジーだけど、テーマは「人間関係」の漫画。
漫画の作画も素晴らしいのですが、
アニメの作画や音楽もかなりのクオリティなので、
アニメから入るのもおすすめ。
サウンドトラックが素晴らしいです。
(この骨の人がエリアスです。)
2.精神科医の悪魔祓い デーモンと闘い続けた医学者の手記 著:リチャード・ギャラガー 訳:松田和也 図書刊行会
ネットで見かけて、気になって購入した本。
精神科医が正式な悪魔祓いを手伝った経験をまとめた本。
手伝うといっても悪魔祓いそのものではなくて
事前の精神鑑定を担当しているということです。
いくつか事例が出てくるのですが、なんというか…、
著者はカトリックだからか
他宗教を認めるつもりがないような印象を受ける。
カトリックを強く信奉している人、
もしくは、カトリックを信奉していたけれど、一時期道を外れ、また信仰を取り戻した人が
悪魔に取りつかれやすいらしいのだけれど、
大勢の神が跋扈する日本人としては
最初からのけ者扱いされてしまった感じがする。
また、著者の考える「悪魔と契約する」の中には
「タロットをする」も含まれているようなので
私は既に、悪魔と契約してしまった側になる、ということが分かった。
また、私の勘違いなのかもしれないけれど
この著者の女性や異文化の人を軽んじているような雰囲気が
時々文章から見え隠れするような…、
書かれていないメッセージを勝手に感知して、やや憤りながら最後まで読んだ。
読解力がない上に、深読みしすぎかしら。
3.謎解きサリンジャー -「自殺」したのは誰なのか 著:竹内康浩 朴舜起 新潮選書
電子書籍のリンクしか見つからなかったが、
ちゃんと紙の本もまだあるはず。
こちらもネットで見かけて気になって購入。
私の大学生時代を彩る本の1つ、
サリンジャーの「ナインストーリーズ」
グラースサーガともいわれるグラース家の物語に加えて
キャッチャー・イン・ザ・ライも含めて
とらえなおそうという意欲作。
文学評論というジャンルではくくれず、
かといって、ミステリというわけでもなく
哲学的な本でした。
「著者が、教授とそのゼミの院生というのも面白いし
それ自体が、この本の内容がたどり着いた結論と酷似している」というようなことを
解説のかたが書かれているのだが
なるほどなぁと唸ってしまう。
私はナインストーリーズの方が、キャッチャー・イン・ザ・ライより
断然好きなのだけれど
その理由はこれまでよくわからなった。
この本を読むと、
サリンジャーがちりばめた仕掛けに
はまってしまっていたということがわかる。
禅とか俳句とかが出てくるのが
日本人として少しうれしかったのだけれど
それがどう使われているかまでは
全く読み込めていなかった。
結局私は、サリンジャーの文章を「かっこいい雰囲気」としてしか
読んでいなかったということが
明らかになってしまった、恐るべき本。
私みたいな奴は、サリンジャーが最も嫌がる読者であったのだろうけど。
平易な言葉と描写の中にちりばめられた深遠なテーマ…なんだもの、
仕方がないよねぇとも思う。
しかし、自分にとって最も触れられたくない重要テーマで
どうしても小説を書いてしまうサリンジャーって
しかも、自分が嫌いなわかったふりの奴らに受ける文体と構成で、
書けてしまうサリンジャーって
本当に、業が深くていらっしゃる。
サリンジャーの出生ホロスコープってどなたか分析されているのだろうか。また調べてみよう。
そして、お正月あたりに、
ナインストーリーズを読み返し
読んでいないグラースサーガを入手して読みふけりたい。
4.アフター・クロード 著:アイリス・オーウェンス 訳:渡辺佐智絵 国書刊行会
ネットで見かけた、ド派手なピンクの装丁が素敵すぎて購入。
この超絶美人は、著者のアイリスの写真だそう。
私は美人作家に弱くて
ルシア・ベルリンの「掃除婦のための手引書」も買ってしまったくらい。
「捨ててやった、クロードを。あのフランス人のドブネズミ」という言葉から
始まる、超絶口が悪い女、ハリエットの転落の数日を書いたお話。
ちゃんと日本語訳してくれているのに
頭がついて行かないくらいの罵詈雑言、
技巧がすごすぎる悪口、あてこすりが連続する文体。
40年前の作品だそうですが、
ありとあらゆるコンプライアンスに引っ掛かりそうな表現が並んでいます。
超絶技巧の汚言に必死でついて行きながら、
「なんでこんなにハリエットは怒っているんだろう」
「どうしてこれほどまでに攻撃的なんだろう」と考えていたのですが
二回目読んでようやく、おぼろげながらわかってみました。
ハリエットが詳細を語らない「海外での5年間」に
ハリエットの根本を揺らがす何かがあったのだろうということが。
しかもそれは
男性であれば体験せずに済んだことなんだろうな、と。
ハリエットには
「何、かしこぶってわかった気になってんの。日本人のくせに!」と
ののしられそうだし、
「このひとは、こういうキャラクターなんです」とスノッブな意識高い系に
冷たく言われそうですけど。
「ハリエットはこの後、どうやって生きていったのかしら。
今、生きていたら60代後半か…」などと
イメージせずにはいられません。
私としては
アフター・クロードのさらにアフターが読みたかった、と思うのです。
裸一貫の女のサバイバル。
私が若いころ大好きだった、
アランウォーナーの小説「モーヴァン」も主人公は
破天荒な生き方を自ら選ぶ女の子だったので
私は、こういう主人公が好きなのかもしれません。
人に何と言われようと、強く楽しく生きていってほしい。
「モーヴァン」は映画化して
最高にかっこいいサンドトラックがでたのですけど
アフター・クロードは
セリフのほとんどがピー音で消されてしまうので
映画にはならないだろうなぁ、残念。
著者のアイリスは映画好きだったようで
小説の中で映画の描写が結構あるので、本来なら映画向きなんだけど
コンプライアンスの厳しい今は無理だろうなぁ…。
そして、この本を読み終えて何より感じたのは
日本語って罵詈雑言のレパートリーが少ないということ。
英語って、かなりひどい罵倒の仕方、比喩の使い方が可能なんだなと勉強になりました。
私の口の悪さなんて、大したことないわね…。
以上、10月に読んだ本でした。
歩いていたら猫じゃらしが発光しているように見えました。
秋も深まってきています。
どなたさまにおかれましても、
体を温かくして、しっかり眠りましょう。