父島の港近くを歩いていて見つけた標識に、ここが太平洋のど真ん中だって実感した。
硫黄島、グアム、パラオ、ハワイの並びを見て今更なことに気づく。
ああ、だから太平洋戦争って言ったんだ。
この太平洋の至る所で日本は戦争していたんだな。
おじいちゃんも戦争から帰ってこれてなかったら、
私、今ここにいないもんな。
などとふと思う。
こんにちは。あーでの父は戦時中生まれ、母は戦後生まれです。
2日目午後は父島半日観光
Nちゃんが申し込んでくれていた父島半日観光
ツアー会社のマルベリーさんが8人乗りぐらいのミニバン?で島内の名所を案内して下さった。
ツアー参加者は私とNちゃんだけだったので、どういうところに行きたいかなどをアンケートに記入したものを踏まえて案内してくださったように思う。
島の文化や自然、歴史についても沢山教えて頂いた。
小笠原諸島は一度も大陸と地続きになったことがないので
独特の生態系があり、植物も動物も固有種がたくさん。
森の中でガサガサと何かをついばんでいた小笠原固有種のアカガシラカラスバトに出会い、ガイドさんもちょっと興奮。
出会えるのはラッキーなんだそうで、すれ違った他のツアーのガイドさんに「あそこにいたよ!」と教えまくっていた。
車を降りて少し歩くと突然現れる朽ちかけたコンクリむきだしの建物。
第2次世界大戦時の通信施設跡らしい。
ひんやりとした空間の中にいると何十時間も船に乗りやってきた島で、細い山道の上にこんな施設を作るのかと圧倒される。
森を抜け、少し高台に出ると現れるまあるいさびた鉄の塊。
直径2〜3mほどのレーザー台。
こんな山の上に鉄の塊があって、この上にもっと大きな鉄の塊がのってたんだ。
戦跡って鉄の塊。
鉄はいつの時代も生活のためだけでなく、戦いの道具になるんだな。
学校にいたであろう二宮金次郎
いつだって戦争は剣がペンを壊そうとする。
境浦海岸には第二次世界大戦時に被弾して座礁したままの輸送船。
77年前に魚雷を受けてなんとかここまで辿り着き、力尽きた船
第二次世界大戦時、小笠原諸島は戦略拠点だったこともあり、
硫黄島では激戦が繰り広げられ、多くの兵士が犠牲になり、
上陸はされなかったけれど、父島も母島も激しい空爆にさらされた。
硫黄島を含め小笠原の住民は強制疎開を余儀なくされ、持ち出しを許されたのは
1人風呂敷一枚分の荷物のみ。
多くの人が持ち出せなかった物を地中に埋めたので
今でも食器などの生活用品が掘り起こされることがあるという。
小笠原は本土復帰52年。
小笠原の海は青い。
その極上の青さは「ボニンブルー」とよばれているらしい。
ボニンブルーのボニンはもともと小笠原が無人島で、
「ぶにんじま」がなまって、「ボニン」になって、
英語で「ボニンアイランド」と呼ばれるようになったところからきてる。
素敵な素敵なボニンブルー。青というより藍に近い。
このどこから見ても青く、
どこまでも青く
美しい海のそばで起きた、教科書には乗らない歴史を知った夏。
ホテル・ホライズン
今回の旅行で3泊お世話になったのはホテルホライズン。
おがまるパックでツアーを申し込む時に宿が残り3つしか残っていなかったうちのひとつ
残り3つのうちでトイレが共用じゃないっていう理由だけで決めたけど
人気がないのかしら?
なんか不便なことでもあるのかしら?
なんて心配は全くの杞憂だった。
上皇后両陛下も宿泊されたというホテルは
古びた感じもなく、気取った感じもしない可愛い外観。
スタッフの方はいつだってとても丁寧で気さくで優しく接してくださる。
お風呂もトイレと別で、旅先で風呂桶の外で身体が洗えるのが地味にうれしかった。
水着を洗える洗濯機も1階にあって自由に使える。
なんでホテルホライズンが残りの宿の3つに残っていたのかわからないな。
ちょっと古い建物らしいけどすんごく素敵なホテルなのに。
確かに値段が他よりも高いこと(おがまるパックで調べたら一番安いところよりは4万ほど高かった)はあるかもしれない。
あとは港から少し離れた地区だからということと、
他の宿よりも部屋数が多いってことかなと。
父島の宿は、ペンションやコンドミニアム形式が多いみたいで、
10室以上のところはあまりないのよね。
港から遠いと言っても、大抵のツアーはホテルまで送迎してくれるし、
ホテルにお願いして港近くまで迎えに来てもらうこともできたし
扇浦海岸が目の前で眺めは最高、部屋から直接ボニンブルーのビーチ行き放題。
何よりごはんめちゃめちゃ美味しい。(後述します)
とにかく心から、ここでよかったホテルホライズン。
夕暮れのギョサンオンザビーチ
夕食までに少し時間があったので、ホテル前の扇浦海岸を買ったばかりのギョサン(小笠原名物の丈夫なサンダル)で散策。
うん。いいぞ。気分があがる。
歩きやすくて色もかわいい。赤にして正解!
ズボンの裾をたくし上げ、海に足を浸けてみる。
冷たすぎない小さな波が足元の砂をさらって海に還る。
くすぐったくて気持ちいい。
ビーチって泳がなくても歩くだけでも楽しいんだなんて、
今まで感じたことなかった。
夕日が直視できないほどの眩しさで照らしてくるな。
スマホのカメラで撮ろうとしても眩しくて撮れてんのかわからないぐらい。
ほとんど人のいないビーチでゆっくり楽しむ美しい夕日はとても贅沢な気分でした。
イタリアンディナー
夕食は3泊分ツアー料金に含まれている。
ツアーに付いているコースだからと侮るなかれ。
ホテルホライズンは食事も有名らしく、ネットの口コミでとても評判が良かったので楽しみしていた。
1日目の夕食はイタリアンのコース
島魚が美味しいのはもちろんだけど、野菜がとにかく美味しかった。
そういえばイタリアンでパスタはメインの前にくる前菜扱いなんだよね。
よく食べるんだなあイタリア人は。
そういえば昔Nちゃんともう1人の友達で行ったイタリアのローマで、
2枚のめっちゃでかいピザ(イタリアでは標準サイズ)を3人で四苦八苦しながら食べている横で
小学校低学年ぐらいの金髪青い目の超絶可憐な美少女がそのでかいピザを1人でぺろっと食べているのを見てめっちゃびっくりしたよね。
その美少女の横にいた恰幅の良いマンマがこれまたぺろっと食べるのを見て
まあ、そうなるよね。。。て納得したよね。
ホテルホライズンのジェノベーゼは麺がもちもちでもちろん美味しいけれど、
上に乗ってるインゲンがあと10本欲しい美味さでした。
いよいよメインディッシュ。
まずは魚。
ポワレの魚はとっても味わい深くてジューシーで美味しい。
が。
なんなのこのディル!
ハーブがメチャクチャ美味しいなんて聞いてませんけど!
なんかちょっと今まで食べたことないなと友人Nちゃんと無言で目が合う。
びっくりするぐらい青臭みがなくて香りが高い。
魚と下のソースを一体化させた上で攻撃力を100倍にしてやがる!!
(褒めてます)
このディルを束で欲しい!
ディル好きなこーでさんに持って帰りたい!
って心から思いつつ、パンでソースを一滴残らずすくいとって口に入れていく私。
ちょっとお腹いっぱいになってきたところに運ばれてきた肉メインの豚は柔らかく、ジューシーでもちろん美味しい。
そしてしつこいようですが、野菜がうますぎるので付け合わせのズッキーニとナスとキャベツと玉ねぎソースをあと3セットくらさい。
台風 Coming soon
この日は島内観光のガイドさんや、ホテルの方から
「今日台風が発生したらしく、明日小笠原に来るみたいです」と
サラッと言われた。
へ?
いや、今日できた台風が明日くんの展開が早ない?
小笠原っていつもそんな感じ?
とビビりつつ2日目は終了。